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公園 

 今、実家に住んでいる。思いついたように、散歩に出かける。時間は決まっていないけど、たいがいは夕方から日没になる。食後の時もあるし、食前の時もある。雨の日や、寒い日は、行ったことがない。子どものころに遊んだ坊主山が公園に整備されている。そこの遊歩道を右回りに、ぐるぐると歩く。大きい円周と小さい円周を交互に回る。右回りでないと落ち着かない。大きいのが六百歩、小さいのが四百歩。三千歩から五千歩歩いて、呼吸法を二回して帰る。東に生駒山、西に大阪の町が見える。公園までは住宅街だ。日曜日などあちこちの家から焼肉の匂いが漂ってくる。桜のころは、園内でバーベキューをしているグループもいた。南米あたりから働きに来ている人達だろうか、ラテンの音楽をかけて踊ったりしていた。子どもたちは、サッカー・ボールを追いかけて走り回っていた。とても楽しそうだった。私は今は飲まないが、飲ンべえだったので、うらやましかった。飲んで、食べて、歌って、これが人生かもしれない。
いつも会う犬もいる。「こんにちは」と言うと「あきまへんわ」と飼い主のおじさんは答える。これが挨拶。自転車の買い物かごにパグが乗っている。この犬は、散歩している姿をほとんど見かけたことがない。おじさんに抱かれているか、かごに乗っているかだ。いつもおじさんは「今日もあきまへんわ」と歩かない犬のことをひとしきりぼやく。「ほんまにあきまへんねんわ」と目を細めて犬の背を撫でて「ほな、さいなら」と自転車を押しながら帰っていく。

おばあさんが二人、ベンチに腰掛けて足を組んで煙草を吸っている。おばあさんといっても、今時のおばあさんだから若い。でも、おばさんではない。どことなくその風情が昔不良だったんじゃないかなと思わせる。私は勝手にそう思っている。派手な格好をしているのに、エプロンをかけている。小さな子どもが寄ってきてもお愛想するわけでもなく、犬が目の前にきてもちらっと見やるだけだ。山の方を眺めながら、並んで煙草を吸っている。でも、その目は山を見ていない。
大学生とOL風のカップル。男の子の方がいつも早く来ている。女の子のヒールの音が近づいてくる。お互いの姿が見える距離になっても、二人ともメールを打っている。二人とも違う相手にメールしているのか、それとも二人でしているのか。なんとなく気になる。
歩いている人の中では、私は若い方だ。いや、そんなことないかもしれない。同窓会に行くと、自分以外はおじさんおばさんに見えるが、後日送られてくる集合写真を見るとなんのことはない。そんなものだ。歩きながらも、いつも気が急いている。その時を味わいながら歩いていない。万歩計の数字を見て、納得して帰る。急がなくてはいけないようなことはないのに。村から遠ざかって、町の波動を受けているのか。それとも、自分の中に焦る気持ちがあるのか。
今度、早朝に歩いてみよう。出会う人も、犬も、違うかもしれない。気分も。

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コメント

環境はちがうけれど私も走りまわっていた頃に帰りました。
まなみさんの文章って風みたい、、、、

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